
鑑定を受ける前に古銭の手入れをすれば格付が上がって価値が上昇
鑑定費用は安くないので、コストと保管の手間を考えて購入を検討しましょう。
古銭は似たようなコインでも超高額で買取してくれるものと、思っていたよりも大幅に低い査定額が提示されるものがあります。
鑑定で重要になるポイントが希少性と当時の商品価値です。そこから評価基準を元に状態を格付されて鑑定結果が出されます。
古銭の価値を決めるうえで最も重要なのが古銭の種類です。
現在も使える古銭の場合は額面が考慮されます。一般的に1円玉など少ない金額のコインよりも500円玉など現金価値が高いコインの方が高額です。ただし、製造された数が少ない年など例外的に高値が付くケースもあります。
普通に使うことができない古銭は、当時の価値や素材が重要です。金や銀を使った古銭は原材料の高騰で値上がりしています。
価値が高い古銭は、模造した偽物が流通しています。
鑑定では本物なのかを最優先に様々な項目をチェックしています。大きさや重さ、厚み、彫刻の精度などを元にプロならではの厳しい視線で本物と偽物を区別しているので、売る予定がない場合でも一度鑑定を受けて価値や偽物の可能性を確認しておくとよいでしょう。
破損をしている場合は本物との区別が困難になるため、減額幅が大きくなりやすいです。
本物である場合でも状態などによって評価が大きく変わります。
日本の古銭を鑑定してもらう場合は、国内で唯一の公式な鑑定機関である「日本貨幣商協同組合(JNDA)」へ依頼するのが一般的です。そこではスペシャリスト集団が集まる鑑定委員会が、あらゆる角度から検証して評価を決定します。
「日本の貨幣-収集の手引き-」という書籍が日本貨幣商協同組合から発行されていて、そこに評価基準の詳細などが記載されています。古銭の種類に応じた価値の目安や手入れ・保管方法なども紹介されているので、古銭コレクターなら1冊持っておくべきです。
古銭を鑑定に出す最大のメリットが鑑定書を発行してもらえることです。
その古銭が本物であるかどうかを書面で証明することができ、状態の格付をされると商品価値が高まります。すぐに売る予定がない場合でも、鑑定書があれば保有する喜びが高まるものです。売却する際も信頼できる古銭鑑定機関の鑑定書があると、査定価格が大幅にアップするケースがあります。
なお、偽造した鑑定書を付けてネットで古銭を売る犯罪が増加中です。鑑定書があってもネットオークションやフリマアプリの個人売買は買い手が付きにくいので注意してください。
古銭を鑑定に出す前には洗浄しておくようにしましょう。
洗浄することで状態の格付がアップすれば価値が上昇します。ただし、洗浄方法を間違えると鑑定での評価が低くなるので注意してください。
鑑定を出した後は湿気や紫外線、ホコリなどに気を付けて適切に保管しましょう。鑑定書を発行してもらった場合でも、その後の手入れと保管に問題があると価値が大幅に下がります。
格付が高い鑑定書があるのに現物の状態が悪いと、買取業者などから何らかの不正を疑われるケースがあります。古銭を1枚ずつ個別のケースに収納するなどして、鉄壁の状態で保管するとよいでしょう。
日本貨幣商協同組合の鑑定費用は、鑑定してもらうコインの時価に応じて1万1,000円~16万5,000円です。
安くはないですが、鑑定書を発行してもらうことで商品価値が大幅に高まります。その他の鑑定機関は安い所だと最安2,000円くらいですが、商品価値のアップに繋がらないケースがあるので注意してください。
せっかく費用を払って鑑定をするなら、多少高くても信頼性があって鑑定書の価値が高い所に依頼するとよいでしょう。
日本貨幣商協同組合の場合は全国の加盟店で受付と預入を行い、そこから鑑定をする本部へ送られます。
加盟店の多くは古銭や記念通貨などを専門に扱っているコインショップなので、鑑定結果が出たらそのまま買取してもらうことも可能です。加盟店の店頭では精度が高い鑑定をすることができませんが、専門店なので的確なアドバイスをしてくれます。鑑定費用がネックになっている方も、まずは鑑定の窓口になる加盟店に足を運んで相談してみるとよいでしょう。